
Hồ Chí Minh
ホーチミン

ホーチミン市(胡志明市、ベトナム語: Thành phố Hồ Chí Minh / 城舗胡志明)は、ベトナム社会主義共和国最大の都市で、東南アジア有数の世界都市でもある。市街中心部の旧称はサイゴン(ベトナム語: Sài Gòn / 柴棍)である。
ホーチミン市(通称サイゴン)は、ベトナム戦争でアメリカ軍が駐留したことで有名なベトナム南部の都市です。また、19 世紀のフランス領時代に、すべてフランスから輸入した資材で建設されたサイゴン大教会や、中央郵便局などが残る町並みでも知られています。街路には屋台が軒を連ね、賑やかなベンタイン市場周辺は特に密集しています。
ホーチミンの街並み

◆地理
地方:東南
面積:2,095 km²
下位区分:19 区 5 県
◆統計
人口:8,426,100[1] 人(2016年)
人口密度:4,000 人/km²
民族:キン族、ホア族(華人)、クメール人
◆その他
市外局番:28
郵便番号:70
ナンバープレート:50 → 59
■行政
ホーチミン市はベトナムにおいて省と同格の都市である。そのため、ホーチミン市の政治構造は省のそれに類似しており、選挙で選ばれた95人の評議員からなる人民評議会と、人民評議会によって選ばれた13人の委員からなる人民委員会とが、最も重要な地方政府機関となる。世界の他の市とは異なり、一人の首長が政治・執行を統括するのではなく、人民評議会議長が市の政治部門の頂点に立ち、人民委員会委員長が市の執行部門の頂点に立つ。ベトナム共産党 (CPV) がベトナムにおける全ての政治・経済・社会活動を指導するので、ベトナム共産党ホーチミン市委員会書記がホーチミン市で真に最高位にある指導者ということになる。
ホーチミン市は2003年12月以降24の行政区画に区分されている。そのうち5つ(面積1,601 km2)は郊外の県(ベトナム語: Huyện / 縣)として位置づけられる。ホーチミン市域の周囲にあり、同市の公式な境界線の内側にある非都市化農村地帯がこれに当たる。これらはニャベ、カンゾ、ホクモン、クチ、ビンチャインの5県である。残る19の区(ベトナム語: Quận / 郡)は市域内に置かれている(面積494km2)。これら市街地区のうち名前が付けられているのは7区(タインビン、ビンタイン、フーニャン、トゥドゥック、ビンタン、タンフー、ゴーヴァップ)であり、残りは単純に1から12までの数字が名前になっている。郊外県が通常多数の村(ベトナム語: Xã / 社)や町(ベトナム語: Thị trấn / 市鎮)から成り立っているのに対して、市街地区はいずれも多数の坊(ベトナム語: Phường / 坊)と呼ばれる地区に分かれている。2006年12月からは、ホーチミン市には259坊、58村、5町が置かれている。

■人口動勢
ホーチミン市の人口は、2004年1月1日現在の統計によれば、6,117,251人(そのうち市内19区に5,140,412人、郊外5区に976,839人)であっ た。2005年年央にはホーチミン市の人口は推計で6,239,938人(そのうち市内19区に5,240,516人、郊外5区に999,422人)になり、ベトナム の全人口の約7.4%と、全国で最も人口が集中する都市であった。単一の行政区画としてはもちろん、州レベルでみても、最大の人口を有し ている。ベトナム最大の経済・金融の結節点であるがゆえに、ホーチミン市には、近年ますます多くの人々が全国各地から流入しており、 人口が急増している。1999年から2004年の間、市の人口は1年あたり約20万人ずつ増加している。2016年の都市圏人口では1007万人であ り、世界の第35位、国内ではハノイを凌ぎ首位である。
多数派民族はキン族であり、約90%を占める。少数民族には華人が8%(ベトナム最大の華人居住地域)、その他(クメール人、チャム 族、Nung、Rhade)が2%。ホーチミン市の住民は、通常、英語では "Saigonese"、フランス語では "Saigonnais"、ベトナム語では "Dân Sài Gòn / 民柴棍" と呼ばれる。
キン族はベトナム語を話すが、アクセントはそれぞれ違っている。南部弁約50%、北部弁約30%、中部弁約20%となっている。華人は広東 語、潮州語、福建語、海南語、客家語を話す人が多く、普通話を話す人は少ない。様々な階級の英語が特に外国人と接することが必要な旅 行業界や商業界で話されていて、英語はサイゴン人の事実上の第二言語になっている。
■気候
ホーチミン市は北緯10度45分、東経106度40分のベトナム東南部に位置し、ハノイの1,760km南にある。平均海抜は19m。サイゴン川の西 岸で ある。北でタイニン省及びビンズオン省と接し、東でドンナイ省及びバリア・ブンタウ省と接し、西でロンアン省と接し、南は南 シナ海に面 した長さ20kmの海岸線となっている。ホーチミン市の面積は2,095 km2(ベトナム全土の0.63%)であり、北はクチ県(カン ボジアとの国境から20km)から南は南シナ海沿岸のカンゾ県まで及ぶ。最北端(クチ県フーミーフン村)から最南端(カンゾ県ロンホア 村)までは120km、最東端(9区ロンビン坊)から最西端(ビンチャイン県ビンチャイン村)までは46km。
ホーチミン市は熱帯気候で、平均湿度は75%ある。1年は2つの季節に分かれる。雨期は毎年平均して約1800mmの降水量があり(雨天は1 年に約100日)、通常では5月に始まり11月下旬に終わる。乾期は12月から4月まで続く。平均気温は摂氏28度で、最高気温は4月下旬の正 午に摂氏39度に達することもあり、最低気温は12月下旬の早朝に摂氏16度を下回ることがある。

■経済
ホーチミン市は、南北ベトナム統一後もベトナムで最も重要な経済的中心地である。数多くの大企業も含め、およそ30万社がハイテク産 業、電器、機械加工及び軽工業に従事し、あるいは、建設業や素材産業、農業製品製造業に携わっている。現在、ホーチミン市には15の
工業団地及び輸出加工地区があり、これに加えて、クアンチュンソフトウエアパーク及びサイゴンハイテクパークがある。
ホーチミン市には、小規模なものを除いても171の市場、スーパーマーケットのチェーン店が10系列、高級ショッピングモールが1ダース、 多数の美容服飾センターがある。50行を超える銀行が何百もの支店を有しており、拠点を置いている保険会社も20社ある。ホーチミン市に は、ベトナムで最初の証券取引所が2001年に開かれた。
ドイモイ政策導入後のベトナム経済の成長に合わせて、ホーチミン市の経済活動も活発しており、2005年には、ホーチミン市の域内総生産 は推計で116億米ドル(対2004年比12.2%増)、人口1人当たり約1,850米ドルになり、ベトナムの国民総生産の20%を占めた。この域内総生 産を購買力平価により計算すれば、560億米ドル(人口1人当たり8,900米ドル)に達する(全国平均の約3.5倍高い)。ホーチミン市の工業 生産高は56億米ドルで、全国合計の30%に等しい。ホーチミン市の港の輸出入高は290億米ドルで、全国合計の40%である。ホーチミン市 は、国家予算の歳入の約30%を担っている。
また、本田技研工業やパナソニック、三菱重工や日本航空、高島屋など多数の大企業の他、製造業や貿易業を始めとした日本の中小企業 も、多数ホーチミン市に進出しているほか、市内には日本の政府開発援助による建築物も数多い。
■交通
道路
国道14号線と20号線で中央高地とつながり、国道1号線で中部沿岸や北部とつながり、国道1号線と50号線でメコンデルタとつながる。メコ ンデルタの中心都市カントーからホーチミン市を通って70km北東にあるドンナイ省ザウザイ(Dầu Giây / 油之)村までの高速道路が建設中 である。
鉄道
ホーチミン市は、ベトナム全土を結ぶ鉄道網の南部の主要地点である。鉄道の駅名は、市名が変わったあとも「サイゴン駅(ガ・サイゴ ン)」であり、始発、終着駅である。南部の最大都市であるホーチミン市と首都ハノイは、1726kmの南北線(統一鉄道)によって結ばれて いる。
ホーチミン駅 - ハノイ駅間には、毎日5本の列車があり、所要時間は最速のSE3・SE4 (列車番号:列車はS1からS20まであり、奇数列車がハ ノイ発ホーチミン行き。偶数列車がホーチミン発ハノイ行き)で30時間、もっとも遅いSE5・SE6で37時間程度である。
特に美しい海岸線を見下ろしながら、ディーゼル機関車に牽かれる長い列車が速度を落としレールをきしませ、いくつものトンネルをくぐ り走るハイヴァン峠越えは圧巻である。1996年からはハノイ-北京間、1997年にはハノイ-昆明間を結ぶ国際列車も復活している。中華人民 共和国国境までは、北へ約1950kmの旅程である。
空港
タンソンニャット国際空港は、軍民共用空港であり、ホーチミン市(サイゴン)の中心街(1区)の北7kmにある。空港と市街地との間の移 動にはタクシーやバスを利用することができる。航空機利用客数が急速に増大していることや、タンソンニャット国際空港が市の中心部に 近接していることにかんがみ、ベトナム政府は既に、50km北東のドンナイ省ロンタイン村近郊に、新しく『ロンタイン国際空港』を建設す る準備をしている。
海運
サイゴン川やドンナイ川に沿って、サイゴン港、新港、ベンゲ港、VICT 港といった多数の港がある。河川を遡航した地域に位置する河港で はあるが、サイゴン港の港域付近でも川幅は300-500m、水深は11mあり、港湾施設のほとんどは外航船が直接入港することができる。これ らの港がベトナムが1年間に輸出入する船荷の40%を取り扱っている。
市内
バス
バスが唯一の公共交通機関であることから、市内にバス路線網が張り巡らされている。なお多くのバスにエアコンが装備されている。
タクシー
1万台のタクシーのほとんどにメーターが取り付けられ、運行中は正常に作動しているのが普通であるが、英語を上手に話せる運転手は多く はない。中には運賃を不正に徴収するためにメーターを使おうとしない運転手やつり銭をごまかす運転手などもいる。
ホーチミン市内では、バイクの後部座席に客を乗せる『セオム』と呼ばれるバイクタクシーが多数活躍している。
観光客がセオムや三輪の自転車タクシー(シクロ)を利用するときは、運転手が乗客の安全に注意を払わない場合もあるので、用心すべき である。白いVinasun(ビナサン)と緑のMailinh(マイリン)の大手タクシーグループは、比較的安全とされる。
鉄道
現在、都市鉄道(地下鉄)と高架鉄道を整備するための財源を模索中である。ホーチミン市都市鉄道は2020年完成予定とされるが、「完成 予定」の期日が毎年順延されているのも事実である。
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■観光
市内
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統一会堂 - 旧南ベトナムの大統領府。
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戦争証跡博物館 (War Remnants Museum) : ベトナム戦争時に使用されたアメリカ軍の兵器の他、沢田教一の写真などが展示されている。
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革命博物館
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南東部軍隊博物館
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ベトナム歴史博物館
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サイゴン中央郵便局 - フランス植民地時代の建築。
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サイゴン大教会(聖母マリア教会)
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ティエンハウ廟(天后宮)(Thien Hau Temple)
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アンクアン寺(印光寺) (An Quang Pagoda)
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ドンコイ通り:高級ホテルやブティック、レストランが立ち並ぶ繁華街
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ビテクスコ・フィナンシャルタワー 大韓民国・ヒュンダイグループが開発する一大プロジェクト
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タイムズスクエア ドンコイ通り沿いで大韓民国・錦湖アシアナグループが開発する一大プロジェクト
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チョロン : 中華街
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ギアアンホイクアン寺(チョロン)
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オンボン寺(チョロン)
他にも、美術博物館、南部女性博物館、ナ・ロン記念館、ベン・ドゥオック地下トンネル遺跡がある。また、ダムセン観光文化公園、スオ イティエン文化公園及びカンゾーエコビーチリゾートは、ホーチミン市内の3大レクリエーション施設であり、ホーチミン市を訪れる人たち の人気を集めている。
郊外
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